初回生産分の中底
左:硬く平らな状態 中:底面の形のまま硬化した状態 右:木型
人の踵に近い形状の木型
縦と横にアーチのサポートのある木型
左から:木型、中底、製甲(アッパー)、底材
靴ができるまで:木型と中底
初回生産分の中底が仕上がってきました。
木型は、できるだけ足の形に近く、縦と横にあるアーチをサポートするため起伏がついています。
足は、片方で28コ、左右で56コの骨でできています。人間の身体は206コの骨があるそうなので、約4分の1の骨が足に集まっていることになります。
「靴は歩くためでなく、立つためにあること。歩くとは、立っている状態の移動。」
最近ようやく言葉の意味を分かりはじめています。
中底は、馴染みが良く蒸れにくい環境にするため、革を使用しています。
革は、適度な通気性・柔軟性・伸縮性などを備えていますが、中底ではとくに可塑性をいかしています。
繊維束の密度・強度・耐久性が高く、加工がしやすい為、ベンズ(背中からお尻)という部位を使用しています。
しばらく浸水させることで、硬く平らな状態から麩のように柔らかくなり、それを木型の底面に添わせ真空成形し、そのまま乾燥させると硬化します。
義肢装具士の方といっしょに開発した理由のひとつに、「歩きやすくて、修理ができる、ふつうの靴」に巡り会えなかったということがあります。
感覚によりそれぞれですが、足が心地良いと感じる環境と美しい環境は相反します。
双方のバランスが取れている甲が高くて幅が広めな木型、足裏から身体全体を支えられている中底、この二つを構造の中心にした靴に出会いたいというところから作りはじめました。
※義肢とは、病気やケガなどで手足を失ってしまった場合に使用する人口の「義手」と「義足」のこと。
※装具とは、病気・怪我・障害などにより、身体の機能が低下したり失われたりした時に、その機能を補ったり、患部を保護、サポートをするために装着するもの。治療や変形予防・矯正を目的としたようなものから、日常生活動作の補助を行うものまで様々。
01. 25 , 2017
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